万平ホテルの怪
広沢理恵
こんにちは。広瀬からバトンタッチされた広沢です。
今週いっぱいおつきあいくださいね。
初めてこのコラムをちゃんと読みましたが、文は人なり。
それぞれの人のキャラクターがにじみでています。
かなり楽しめましたが、さて、書くのはムズカシイ。
私は「ねえ聞いて聞いて」と人に言いたくて言い足りなかったこと。
これを書いてみたいと思います。
まずは、不思議だった出来事から。
所は軽井沢、一度泊まってみたいよね、と予約した万平ホテル。
到着後、受付へ。
「お持ちいたします」と、きびきびしたボーイさんがさっそく
荷物を持ってくれました。
「素敵な建物ね」などど友達とおしゃべりしながら、
案内されたエレベーターの中へ。
「3階でございます」とボタンを押しながら、なぜか彼は入らない。
私たちの荷物を両手に持ったまま、エレベーターのドアの外で
深い深いお辞儀をしています。
ドアが閉まり、エレベーターはゆっくりと動き、
私たちの部屋の階に止まりました。
その間10秒くらい。
ドアが開いたとたん、びっくり。
さっきの彼がドアが閉まったそのままの姿で居たから。
「きっと、従業員用のヒミツのエレベーターがあるのよ」
「隠れた所に階段があるにちがいない」
「でも、息全然切れてなかったよねー」
後でいろいろと調べてみましたが、
ヒミツのエレベーターも階段もありませんでした。
いまだに真相は謎ですが、からくりはさておき。
あれから時間は流れましたが、あの不思議、まだ続いているといいなあ。
老舗ホテルの心意気を感じた出来事でした。
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