犬と友達
わたくし、人生で犬に5回噛まれてます。
従兄弟の家で噛まれたり、釣具屋の番犬に噛まれたり。噛まれっぱなしです。
中でも一番ひどかったのは、パグ犬に脇の下噛まれた時でした。
ある日、小学生時代に所属していたサッカークラブの友人宅へ、
お邪魔しました。もうその頃には犬恐怖症だったのですが、
「うちの犬は、今まで誰も噛んだことない、絶対に噛まない」という話を
信じ、遊びに行ったわけです。ところがどっこい、やっぱりやられました。
「かわいいでしょ?触ってあげて」なんて言葉にだまされて、寝ているパグに
恐る恐る手を伸ばしたとたん、奴は食らいついてきやがりました。
びっくりして手を引っ込めたら、次の瞬間には、恐らく人間の皮膚で
一番か弱い脇の下にパグが一匹。ぶらーんとぶら下がってました。
犬って、こっちが警戒してるとだめなんですね。
猫はその点、こっちが警戒しようが何しようが、全くお構いなし。
だから猫は好きだし、飼ってたこともありました。でも犬は全然だめ。
がんばって仲良くなろうとしても、心から発する警戒心を嗅ぎつけ、
やつらは興奮しはじめます。そうなると、開きかけた僕の心は、
すぐさままた鍵をかけてしまいます。犬のいる生活とか憧れるんですけどね。
こちらから心を開かないと、相手にも心を開いてもらえない。
ちなみにちなみに、それって人間関係にも当てはまりますよね。
当たり前の話ですが、人間だって、本音じゃない人にそうそうカンタンには
心を開かない。だからここだけの話、僕、残念ながら友達多くないんです。
もちろん、初対面で打ち解けちゃうなんてすごい体験、したことないですし。
数少ない大事な友達とずーっと仲良くしていく。それで俺はいいじゃないか。
そう思う反面、でもやっぱり友達がたくさんいる人って楽しいだろうなあ、
と憧れてる自分も僕の中にはいる。そういう矛盾だらけの人生を、曽原剛は
送っているわけです。
すみません。長々といいわけしてきましたが、友達の少ない僕には、
このリレーコラムを博報堂の外へとつなげることができませんでした。
でも次のランナーは、僕がいつもお世話になっていて、本年度のTCC
で審査員長賞を受賞した、横道浩明大先輩。なので、きっとおもろい話が
聞けるはずです。みなさま、どうぞお楽しみに。横道さん、よろしくです。
これにて、曽原剛のコラムは終了。一週間、ありがとうございました。
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