リレーコラムについて

メイビー・ユー・ドント・ノウ・ミー

鈴木拓磨

まさやんバトンありがとう。
こんど男山いっしょに飲もうね。

 

こんにちは。
スコピー鈴木拓磨です。

 

ACCのウェブサイトに公開されていた
入賞作品を視聴していて
昨年、腹を抱えて笑ったのは
服飾専門学校のラジオCMだった。

幼い少女が将来の夢を語る。
たどたどしく、微笑ましく語る。
自分のブランドを持つのが夢だという。
そのために何をするかというと
服の勉強を一生懸命する
…のではなく、
アイドルとして芸能界デビューし、
やがてママタレントになるのだという。
(公開終了済につき記憶ベースですみません)

言うまでもなくこれはアイロニーであり
「そんな回りくどいことは必要ない」
「学校に入学してね」
というのが広告のオチである。

でも、思うのだ。

ひょっとしたら
少女の計画は正しいのではないかと。

「知られている」は強すぎるよな〜。と。

人として、存在として、
既に知られていることの
アドバンテージのでかさ。
知られていない人や存在の、
いくら頑張っていいことしても
世の中から振り向いてもらえなさ。

見渡してみれば
既に知られている企業やブランドが
既に知られている有名人やIPを
起用しまくっている。
知られたい&忘れられたくないの
飽和状態を
無名がぶち抜いてひっくり返すのは、
インターネットやSNSで
チャンスが増えたとはいえ
まだまだ、なかなかしんどい。

アイドルやママタレントとして
世の中に知られるのは
それはそれで茨の道なので、
もっと手っ取り早く
世の中に知られちゃおうという
戦法をとる人もいるだろう。
正も負も関係ない情動の刺激。
身も蓋もないが
「悪名は無名に勝る」は事実だ。
勝りまくっている今日この頃ともいえる。

で、
頑張ったりいいことしたりしてるのに
知られていない人や存在が
健全かつ回り道せずに
知られるようにするお手伝いは
われわれの仕事のひとつだ。
ですよね。

で、
そういうときクライアントに
「あなた知られていませんよ」と
なるべく角が立たないように
しっかりご認識いただく
ところからが仕事だったり
しますよね。

WEB編集者のギャラクシーさんが
ライターへのアドバイスとして書いてらっしゃる
情熱大陸みたいな記事を作っちゃダメ
っていうのは
自分の仕事にも通じる戒めだな〜と思っている。

「たぶん、あなたたちは私を知らない」
まずはここから始めなければならない。

 

ところで
コピーライターというものは
日本に「糸井重里」ひとりしかいない。
と思っている人は結構いるのではないか。

このコラムをお読みの方は該当しないが
会社を、業界を、都市を、
ちょっとでも離れてみれば
少なくとも
コピーライターと会ったことがない人は
たくさんいるし、
コピーライターと仕事したことがない人は
もっといる。

もちろん糸井さんがいなければ
コピーライターという職業を
知らないままだった人もたくさんいるだろう。
おれもそのひとりだったかもしれない。

もっと知られなければならない。
自分のこともそうだけど
コピーライターができることも。
知られなければ声もかからない。
おまんまがくえなくなってしまうぞ!

会社や、業界や、都市から
離れたところで(も)仕事をする
札幌のフリーランスとして
そんなことを最近よく考えています。

 

リレーコラム1週間よろしくどうぞ。

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5848 2025.01.27 鈴木拓磨 メイビー・ユー・ドント・ノウ・ミー
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