リレーコラムについて

TOKYO狩猟部=東京近郊での活動に意味がある。

横道浩明

私のキノコ採りは、他のジャンルも含めた
「TOKYO狩猟部」と銘打つ活動の一環として行っています。
キノコ採りをメインに、潮干狩り、野草摘み、素潜りなどなど、
「子供でも簡単にできるような、採って食べる活動」を基本として。
道具などに金をかけてやる釣りやダイビングは思想が違うのでNG。
ちなみに、「狩猟」と言っても動物を対象にすることはありませんが。

この活動、「TOKYO」という部分に大きな意味があると思っています。
自分は東京生まれ、東京育ち。
子供の頃の高度経済成長期は、公害の時代でもあり、
東京の自然が急速に失われていった時代です。
逆に言うと、意識次第では(私もそうでしたが)
まだ東京でも「自然」体験ができた時代でした。

その後、環境意識が高まり、多摩川にも鮎が戻ってくるなど、
東京の自然はかなりのレベルまで復活しています。
お金を使って遠くまで出かけなくても、
じつは、身近なところにも豊かな自然は広がっている。
そういう意識や認識を高めようという考えが、
この活動の背景にはある。そう、けっこうマジメなんです。
だから、活動の場所は「東京および隣接県」が基本。

キノコ採りをしていると季節に敏感になり、
食について、味覚について、そして人と自然の
関わり方などについて深く考えるようになりました。
当然のように、温暖化や放射能の問題などにも関心が強くなる。

これからの季節、桜が散る頃になれば
身近な公園などにもアミガサタケが出はじめます。
その後には、ハルシメジ、カンゾウタケ、
そしてマツオウジなどの食菌を都会で見つけることができます。
梅雨が明ければ、丘陵地などにポルチーニの仲間がニョキニョキと発生し、
唐松林にはハナビラタケが姿を現す。
8月半ばを過ぎれば御山の上ではマツタケが頭を覗かせはじめ、
9月以降はいよいよマイタケを初めとする本格的なキノコシーズンの始まりです。
じつは、ここ二年ほどキノコの不作がつづいているのですが、
それが恒常的な温暖化の影響ではないことを願うばかりです。

これで、私が担当する5日間のコラムは終了です。
これを読んで、皆さんが少しでも「キノコ」に
興味を持っていただけたならば、ちょっとは意味があったのかと。
でも、無茶しちゃダメですよ。自然のキノコを採って食すには、
ちゃんとした知識のある人と一緒じゃないとヒドい目に遭う。
あとは、知ったかぶるキノコ詐欺師にもお気をつけください。
そして、くれぐれも違法キノコには手を出さないように。

私は「業界」の雰囲気がどうも苦手で近づきがたいのですが、
業界内にキノコ部でもできたら入部するかもしれませんね。
「TCCキノコ部」
もちろん「T」の文字はキノコの形ということでw

さて、次のコラムは、ここのところオッサンばかりが
つづいていたようなので、女子へとバトンを渡しましょう。
彼女は、TOKYO狩猟部を立ち上げた頃の重要メンバーでもありました。

それでは、博報堂の牛殺し花子さん、よろしくお願いします。

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