リレーコラムについて

「嘘」があって、「本当」になる。

礒部建多

とあるCMを編集していました。

それは、
一般の人から集めた映像素材を、
一本にまとめるもの。

すべての素材には、
一切脚色をせず、
生っぽすぎるほどの
リアリティーが溢れていました。

しかし、
つないだものを見たCDの一言は、
「なんか嘘っぽいね」でした。

たしかに、って思いました。

本当のことって、
そのまま伝えると嘘っぽくなるんだな。

本当のように感じてもらうには、
逆に、ある「嘘」を仕込んだ方が、いい時がある。

「嘘」が、「本当」を演出することを、改めて実感しました。

本当のことすぎると、
疑いたくなっちゃうんですかね。
人って。

キレイゴトとか、正論だけでは、
人が動かないのと同じことなのかな。

そんなことを
頭のすごく奥の片隅で考えながら帰宅すると、
敬愛する坂元裕二の新作、
「初恋の悪魔」が放送されてました。

第二話。

太賀が、最高なわけです。

中盤、松岡茉優との河原でのやりとりで、
熱演を見せてくれるのですが、
そこが本当に素晴らしくて。。グッときてしまいました。

以下、かなり内容に踏み込んでしまうので、悪しからず。

死んだ兄への想いを、
誰にも吐露できなかった太賀。
その想いを察し、
松岡茉優は自分のスマホを渡します。
「これで兄と話しなよ」と。

もちろん兄に繋がるはずもないわけで。
それでも、まるで兄が聞いてくれているかのように、
太賀は、電話の向こうへ想いを吐露するのです。

そこからの熱演が、エモすぎて。。。

でも、その熱演を演出したのは、
松岡茉優がスマホを渡した、
ちょっと舞台のような、
フィクション味が入り混じる設定だったのかなと。思います。

太賀の迫真の演技に、
坂元裕二の「嘘」の仕掛けが、
リアリティーを演出していました。

ちょっと、実際見ないと何言ってるか分からないと思うのですが。。。
すいません。

「嘘」と「本当」の絶妙な関係について。

いや、そんな高尚なことというよりも、

要は、坂元裕二、やっぱすげぇなって、話しです。

はい。
二週間にも渡って、2回しか書けませんでした。
すいません。

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来週は、同じ電通に所属する北恭子さんです。
今年新人賞獲られてました。
めちゃくちゃ素敵なラジオでしたね。
コピーも、デジタルも、アートもいける。
なんか出来ないことないのかよ!ってぐらいに、
全方位できちゃう、ネクストクリエイターです。
北さん、どうぞよろしくおねがいします。

NO
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