リレーコラムについて

「簡単じゃないから、宿題にさせて」

飯田麻友

正解がない問いに、答えを出す。

広告とはそういう仕事だ。

だから難しい、と日々思う。

最近では、オリエンも曖昧なことが多いので、

もはや問いから自分たちで考えることになったりもする。

 

簡単じゃない。

簡単じゃないことは、

腰を据えてじっくり考えたい。

本当はその場で鮮やかに解を導くことに憧れるが、

私はそう思ってしまうことが多い。

 

だから、だろうか。

ワードハンティングのリストを見返したら、

過去の私がこの言葉をメモしていた。

 

「簡単じゃないから、宿題にさせて」

 

ワードハンティングとは、

コピーライターの大先輩である平山浩司さんの教えで、

広告に限らず、テレビ、ネット、本、雑誌などで見聞きした、

何か心にひっかかった言葉を、日々、ストックするというものだ。

 

その言葉は、東京ラブストーリー第2話のセリフだった。

(数年前、坂元裕二さんへの熱が特に高まっていた頃、

TVerで再放送をしていたのを見た時のものだった)

それは、告白の返事だった。

織田裕二さん演じるカンチの告白を受けて、

有森也実さん演じるさとみが返した言葉だ。

「簡単じゃないから、宿題にさせて」

 

職場や学校で使うと普通だけれど、

告白を保留にするときの言葉として、

「簡単じゃないから、宿題にさせて」。

当時ドラマを見ていて、

なんだかしゃれていて、

気が利いているなと思ったのだ。

 

ただ、告白も、仕事も、

宿題にするよりも、その場で答えたほうが

相手は助かる。早いほうが助かる。

そんな当たり前のことも感じたのだった…。

 


 

尊敬する高崎さんからバトンを受け取りました。

飯田麻友と申します。

 

せっかくいただいたバトンなのに、

錚々たる大先輩たちのあと、筆が重く、

これは簡単じゃないぞと宿題にしていた結果、

アップが遅くなってしまいました。

高崎さん、大変申し訳ありません。。!!!

 

高崎さんの後の読み物としては

少々物足りないかもしれませんが、

どうぞお付き合いください。

 

よろしくお願いいたします。

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