コピーも短歌も、リズムがよいと心地よい。
師匠であった眞木準さんから
「キャッチフレーズは、七五調がいい」
と、言われたことがあった。
(ここから、音数で数えてくださいね。五七五七七の短歌は、音数でかぞえるので)
「記憶は消える。記録は残る。」
「そうだろ」
「恋が着せ、愛が脱がせる。」
「だろ」
「トースト娘ができあがる。」
「だろ。あ、一音字余りか」と、笑った。
「七文字とか十二文字のキャッチフレーズは、
パッと見て可読性が高いし、音としても調子がいい。
七五調は日本人に気持のいいリズムなんだよ」
とも。
本気か冗談かわからないが、
眞木さんを信奉していた私は、
それからコピーの文字数(音数)をすごく気にするようになった。
十二文字あたりをめざして、「だよね」とか,助詞をつけ足したりして。
眞木さんはそういうこと言ってたんじゃないと思うけど。
ふと思い立って、眞木さんの「眞木準コピー新発売」「一語一絵」という本をだしてきて、
七五調がどれくらいあるのか見直してみた。
「十歳にして愛を知った。」
「四十歳は二度目の二十歳。」
「飲むときは、ただの人。」
「イマ人を刺激する。」
「メトロおりたら美術館」
「恋を何年、休んでますか。」
・・・・・
うん、あるある。かなり、あるなぁ。
眞木さんは、すごい。実践の人だったなぁ。
きっと、眞木さんは、七五調の文字数にこだわっていたのではなく、
覚えやすいとか見やすい、
音としてのコピーのリズムことばのリズムを大切にしていたんだと思う。
他人に伝える時に、とても大切な視点じゃないかと、今にして思う。
今頃気がついて、不肖の弟子でありました。
短歌も当然リズムが大切と思う。
五七五七七でピシッと決まった短歌は、心地よい。
見やすい。読みやすい。やはり、まずそこをめざすべきですよね。
短歌をつくっていると、どうしても字余りとか句またがりとかしちゃうんだけど、
ま、そうであってもいい短歌はいい短歌と思うんだけど、
やはり、できることならば心地よいリズムをもった、美しい短歌をめざしたいですね。
精進します。
真夜中に先師の蔵書読み返し迷ったときは初心に帰る 御倉直文
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