リレーコラムについて

デジタルで起きているリアル⑤

米村大介

案外、傘を持ち歩くと雨が降らないように、

コラムを引き受けてからに限って、仕事がパツパツになるものですねー。

(・・・はい、言い訳です)

 

ついに最終日まで来ました。最後までちゃんと書きます。

ラストは、

アナログなコピーライターがデジタルな部署に来てみて、

「実際ぶっちゃけどーなのよ!」って話と、

「こーいう人向いてるから来ればいいのにー!」って話です。

 

デジタルな部署に来てみて一年。

まず、

CMの仕事が増えました。。。

「なんでやねん!」って思いますよね・・・。

 

ま、もともとやってる仕事を継続してることもありますが、

今の時代、デジタルシフトをまったく考えてないクライアントさんのほうが少ないですよね。

つまり、TV-CMと WEB-CMがつながってることが多い。

次はデジタルだけで行きたい、ということもあれば、両方やりたい、

あるいはわからないからその配分も含めて提案してほしい。

もっと言えば、認知のあと、興味理解を持たせて、購買までの

WEB上のカスタマージャーニーを描いてほしい。

今や、「つづきはWEBで」では、うまくいかないことがわかっている。

WEBにはWEBのルールはあり、話法、コピーの見せ方も違えば、文化も価値観もちがう。

ジブンに関係ないものは2秒で飛ばすが、興味のあるものは最後まで見て、

気に入ったらECサイトに遷移してポチる。

 

とかとか、いろいろあり、

・マスを含めてデジタルでの認知CM

・興味喚起させるためのWEBCM

・ポチっていただくことにつなげるWEBCM

 

などなど、CMの役割が増えてきた。

その中で、地上波どうする?みたいな順番ですね。

 

あと、とはいえ、そういうのって、制作作業は同時に動くから、

マスのチーム1つでいくか、どうしても合わないときはデジタルチームも動かしたりする。

マスとデジタルでは、結構うまくいかないこと多い。いろんな意味で。

(だめだ、これ話すと、もう一話必要になるから割愛・・・)

 

マス、デジタル、全てニュートラルにした上で、プライオリティをつける。

左脳的にきれいごと言っても、いろんな事情が撮影現場では立ちはだかりますから。

タレントさんの時間がない。機材トラブル。商品カットもっと撮りたい。

結果、第一に被害を受けるのは、WEBパートだったりする。

そういうときに、「いや、これは絶対に撮らないといけない」と言えるかどうか。

それって、両方やってる代理店の人にしか言えないと思ってます。

そのためにも、撮影前のPPMまでにWEB用のコンテ、

流すWEBメディア媒体、必要なアングルサイズ、

LPやバナーで必要なスチール素材(GIFなどの動かし含めて)などが必要になります。

結構よくあるのが、「TVCMの編集は終わったけど、で、WEBどうします?」

ってやつですね。いやいや、リサイズじゃないんだからーって。

 

あとは、

僕は今の部署に一番来てよかったと思うのは、

とにかくいろんな人と仕事ができるところです。

どの局の誰とやってもいいし、社外の誰とやってもいい。

クリエーティブ以外のいろんな優秀な人と同じチームで

プレゼンに向かうのって、最強のワークショップです。

AIチームの人たちの話を聞くのが大好きで、いつもワクワクします。

隣りのデータ&ダイレクトクリエーティブチームの人たちを

見ていると、いつも頭が下がります。

「その薬はこの病気に効くのか?」と新薬を分析するように、

「この広告は効いているのか?」と徹底的に分析してより良いスコアを叩き出す。

たまに、「デジタルに行ったら、バナーのコピーばっかり書かされるんじゃないか?」

とか思っている人がいますが、そもそも、ちょっと次元が違うんですね。

テクノロジストなんですよ、まず。

コピーライターがいたとしても、テクノロジストと組んでやる。

「TCCとったコピー」であっても

「売上No.1!」「今なら0円!」「返品無料!」とかにスコアで勝てないならダメ。

でも、「美女×TCCとったコピー」なら逆転したりすることもある。

そういうのを徹底してやってる。ただのリサイズじゃない。

大変そうだけど面白いなーと、リスペクトして見ています。

 

とはいえ、CMばっかやってても、

あまり来た意味ないんじゃないかなー、と

心のどっかで思ってたときに、、、

こないだ運用・獲得チーム主体のチームと

競合プレゼンの作業をしました。

動画とかつくったことないクライアントさん相手にプレゼンするわけですし、

完全にアウェイ状態。全体の運用予算がかなりあるのに、制作費割合の少なさにびっくり。

プレゼン時間も動画は5分で話してくれと。。。

でも、とても興味を持って聞いていただけたのでよかったです。

こういうデジタル100%な仕事をやってみて、

そっか、今の日本の広告費ってこっちに来てんだなー、って実感できたし、

こっちにクリエーティブの需要めっちゃあるんだなー、ってことも思ったし、

一見、理不尽なことがいろいろ起きるけど、みんな頭いいから、話せば大体わかるんだなーとか、

何十人もいるプレゼンルームに、アナログ人間ひとりだっただろうし、

実は、デジタルな部署に自分がいることを一番実感した仕事かもしれません。

 

あー。最終日だからって、長くなりました。もう少しだけ・・・

 

デジタルのコピーライティングって、知ってるか知らないかだったり、

アナログでやってきたことをギアチェンジすればできること多いです。

TCC年鑑に載るようなコピーライターのスキルがあれば、ほぼ。

 

で、僕がなんとなく思う、デジタルな部署に向いてると思うひと。。。

 

1)今よりも、面白い企画をやりたい、面白いコピーを書きたいと思ってるひと。

>>向いてます。そして、コピーの時代が来ると思ってます。いや、そうなります。

 

2)カンヌ獲りたい!って思ってるひと。

>>向いてます。賞のためのソーシャルグッドじゃ獲りにくくなってる今、

「ビジネスにもなるソーシャルテクノロジー開発×クリエーティビティ」とかいいんじゃないすかね。

 

3)勝てるプレゼンを身につけたいひと。

>>向いてます。「クリエーティブはよかった。でもプレゼンは負けた」もうそういうの、もったいないですよね。

部署内であれば、勝った企画書を見せてもらったりして、すごく勉強になってます。

 

4)年下でも優秀な人をリスペクトできるひと。

>>向いてます。デジタルって、5年目の人でもめちゃ優秀だったりします。逆に、年下のくせに!って頭ごなしに言う人は

向いてません。(って、今どきそんな人あまり見ませんが・・・)

 

5)コピーが書けて、アイデアがあるひと。

>>超向いてます。ていうか、来てほしい人ですね、これ。僕は極論、「コピーとアイデア」があれば、どこでも戦えると

思っています。デジタルに来て一番感じるのは、優秀な人は多い。けれど、アイデアが圧倒的に足りない。

ということです。

 

と、、、最後は、「みんな楽しいからデジタルにおいでよー」みたいな感じになってしまいました。

 

ようやく、この重い重いコラムのバトンを渡したいと思います。

(このバトンって、くまが持ってる鉛筆みたいな形をしてるんでしょうね)

 

バトンを渡す相手は、

同じ部署、電通デジタル アドバンストクリエーティブセンターにいる

竹田芳幸君です。

僕がTCC審査委員長賞を受賞したということを真っ先に知って、

興奮して電話をかけてきました。

自分のことのように、すごく喜んでました。

僕はそのときスロットで負けてすねていたので、

僕よりもずっとテンションが上がっていました。

「あー、こういう人がいるうちは、ACRC(アドバンストクリエーティブセンター)は大丈夫なんだろなぁ」

と、しみじみ思いながら、スロットには負けたけど祝杯をあげたのでした(スロットやめなさい)。

 

そんな竹田君に、重いバトンを渡します。

 

ではでは、長文失礼しました。

 

 

米村大介でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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