リレーコラムについて

器について

野﨑賢一

「パパのニンテンドースイッチは、触ったらあかん」

3人の子供たち(9歳男、7歳男、4歳女)にそう発した瞬間、
口から離れたそのセリフを
自分のものと思いたくない後悔とともに、
心の中でツッコんだ。

「ちっっっちゃ!」

理屈も教育方針も何もあったもんじゃない。
父親として、めちゃくちゃ。
同じ口で「お友達におもちゃ貸してあげなさい!」
とか言ってるし。

慌てて、
「だって、自分の片付けとかできてないしな」
と理由っぽいものを付け足したが、
まあ、納得いかない顔で、
前世代ゲーム機、Wii Uのおさがりで我慢している。
僕がスイッチをやっているときは、一緒にやっている。
(今子供たちは、サンタクロースに自分たち専用の
スイッチをもらおう、と計画している)

だって、
大切なゲーム機が、
汚れたり、傷ついたりしたら、
ショックなんやもん!

38歳になって、今、
しみじみ気付かされること。

僕の器は、小さい。
悲しいくらいに、小さい。

料理は焼きそばくらいしかつくらないので、
料理の器ではなく、もちろん人間の器の話。

本当に申し訳ない、子供たち。
この場を借りつつ、
将来、一人ずつちゃんと詫びようと思ってる。

1つだけ付け加えさせてもらうと、
趣味はゲームくらい、というゲーム好き。
やってる時間は、それほど多くないのだけれど、
家族と、仕事と、ゲームの三本柱で生活している。
新作ゲーム機が出た時、
躊躇なく買える額を稼いでいることが、
労働における最大の喜びだったりする。
でも、一時が万事。
そういうところも、小さい。

世代的にも、ミスチルの歌詞がぶっ刺さり、
世間知らずだった少年時代から、
壮大な自分探しの旅ばかりの10代を過ぎ、
分別もついて年をとり、思う。

当たり前だが、
自分はここにあって、
歳とともに、自分というものが、
徐々にはっきり見えてくる。

胸の真ん中あたりに、人間の器が入っている、
すりガラス張りのケースがあって、
年々、少しずつ、すりガラスがクリアになり、
自分の器が、はっきり見えてくるイメージ。

ちなみに僕の器は、
おちょこサイズで、ちょっと厚みがあって歪んでいる。
おちょことしては、なかなか魅力的な器なのだが、
これは人間の器だ、話が違う。

自分の声を、
録音で聴いた時の嫌な感じに近い。

でも、これでも、
家族ができて、子供が生まれて、
テレビの指紋とか、
部屋の散らかりとかが気にならなくなったり、
0.1ミリ単位で毎年大きくなっている。

立場が人をつくる、というように、
会社でも、部を持たせてもらったり、
後輩たちと仕事することで、
気づかされることがたくさんある。

家族や、仕事で出会う人たちのおかげだ。
自分はここにあって、
周りの人によってつくられる。

最近、
耳に一本長い毛が生えてきて落ち込んだり、
お腹が空きにくくなってきたり、
老いを感じて凹むことばかりだが、
若い頃に戻りたいは思わない。
思い描いた40歳手前じゃないけれど、
今、周りにはすごく恵まれている。

大事にしたいと思う。

小さい器とちゃんと向き合いながら、
少しずつ大きくしていくので、
お付き合いいただいてるみなさま、
これからも、
何卒よろしくお願いいたします。

最後に、
今ゲームは、暇があったら「テトリス99」をやっている。
往年の名作テトリスと、最近流行りのバトルロワイヤルを
掛け合わせた100人同時対戦テトリス。天才。
30年ゲームをやっていることになるが、
ニンテンドースイッチは、
面白いゲームがこれまでで一番揃っているハードだと思います。
おすすめです!!

あと、
このコラム、ありがたいことに、
初日のコラムに出てくる
「これまでトータル1分くらいしか話したことのない同期」から、
メールがあり、結果ランチに行くことに。
他にも、後輩から「読んでますよ!」と声をかけてもらったり、、、以上、
2件だけ反響がありました!
励みになります。

あと1日!
すみません、土日に書きます。
NO
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