リレーコラムについて

早送り再生とフェルミ推定

鶴田茂高

カラオケが好きです。最近の曲にもチャレンジしています。

素面で歌うことはないのですが、酒量が進むにつれて呂律が回らなくなったり、
歌詞のテロップを見誤ったりします。
back numberとかうまく歌いたいのに、複雑なメロディラインに
僕の脳の処理能力を超えた歌詞が乗っかってて、途中であきらめてしまします。

歌詞の多さから類推するのもなんですが、
本当に現代は情報過多の時代だと思います。

 

でも、仕事関係などで20〜30代前半の若い方々と絡むと
「できるだけ多くの情報に接していたい」と願っている節を感じます。
知らないことは悪と思い込んでいるような強迫観念のようなものを。

そんな思いを行動に変えている例の一つがビデオの早送り再生。
ドラマでも映画でも1.5倍速以上で観賞するのを当たり前にする人も少なくないとか。
「時間がもったいないから、他のコンテンツも見たいから」と
理由を述べてくれますが…。

作品を認知することと感応することの違いのようなことを感じます。

 

認知といえば、最近は度重なる物忘れに「認知症では?」と恐怖感を覚えます。
一番出てこないのが芸能人の名前。
不思議なことに最近のジャニーズとか坂道グループのアイドルの名前よりも、
天海祐希さん、堺雅人さんと言ったビッグネームが出てこないことが多くなり、
本当に「退化」の改新に震えます。

で、そんな退化を抑えるためではありませんが、
最近はオンラインでよく「数学」の講習を受けています。
「数学」といっても方程式や微分積分なんて受験勉強のレベルではなく、
本当に頭の体操的な内容で、
暮らしの中にある数字にまつわる知識を上手に活かしてみようとするものです。

その一つがフェルミ推定と呼ばれる数学的な考察方法です。

 

「人間の髪の毛は何本あるか?」

「日本全国に小学校は何校あるか?」

「ペットで猫を飼っている人は何世帯あるか?」

 

フェルミ推定とは、こうした課題に

どういう条件や情報がわかれば答えを導き出せるか、を考えて概算で答えるものです。

逆にいえば、自分が知っている情報量に応じて解答法は一つではないはずです。

 

例えば、人間の髪の毛の本数ですが、1㎠あたりに何本くらい髪の毛があるか、

さらに髪の毛が生えている頭皮の面積はどれくらいか、を知識として得ていれば、

概算を計算できるはずだと僕は思いました。

 

実際に、自分で鏡を見ながらおおよそ1㎠あたりの髪の毛を数えてみると120本くらいありました。

で、髪が生えている範囲を自分の指を当てて測ってみると、おでこからうなじまでが約40cm、コメカミからコメカミまでが約30cm。

すごくアバウトですが、頭皮の面積は1200㎠くらい。

 

ゆえに、
1200㎠×120本@1㎠=144000本

つまり僕の解答で人間の髪の毛は14万本くらいと類推できました。
これがフェルミ推定。

ちなみにインターネットで調べてみると
「毛髪は1つの毛穴から約2~3本はえてきます。

その密度は普通の人で1c㎡に約150本です。

髪は全体では約10万本生えており、

欧米人は日本人よりも本数が多く約15万本生えています。」とありました。

誤差も含めてまずまずの解答だったとちょっとホッとしています。

 

知識(認知)を得ていることも大切ですが、その知識をどう使うかという応用力が試されているものだと思います。

ボケ防止にはもってこいかもしれません。

 

では、「日本全国に小学校は何校あるか?」「ペットで猫を飼っている人は何世帯あるか?」
僕の解答では……。

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