毒キノコを食らうも食らわぬも、すべて自己責任である。
山に生えているキノコを食べると言うと
誰もが怖がるのは、そう、毒キノコです。
実際、森の中には1本で死ねるような猛毒のキノコが普通に生えています。
ただし、「毒キノコ」と言っても、必ずしも致死的な猛者だけではなく、
ちょっとお腹をこわす程度のものも毒キノコ、
幻覚を見ると言われるような種類も毒キノコ扱いです。
幻覚系とされるキノコの一つにベニテングタケという菌があります。
おとぎ話やスーパーマリオなどに出てくる、
赤いカサに白い水玉模様の世界で最も有名な毒キノコ。
私は、このキノコを菌友とともに何度か食べたことがあります。
いえいえ、ベニテンの毒は食べて死ぬほど強いものではありません。
それに、いわゆるマジックマッシュルームとは違って「違法」でもない。
しかも、私たちがこのキノコを食べようと思ったのは
幻覚なんぞを期待してのことではなく、
「ベニテンを食べたら他のキノコが食べられなくなるくらいにウマい」
と聞いていたからなのです。
その日に採ってきたばかりの中型のベニテングタケ1本を、
ソテーして、菌友4人で分けて食べてみたところ、
旨味の強さと言い、歯ごたえの良さと言い、確かに美味しい。
しかし、食べてからしばらく時間が経つと、
ちょっとしたベニテンの「効果」が現れてきたのも事実です。
ある者は饒舌になり、
いつもはダラけている友人の行動がテキパキとしはじめた・・・。
ベニテングタケには強壮効果があるようです。
その昔、ロシアの狩猟民たちは森の中で狩りをして疲労がたまると、
そこに生えているベニテンを1本食べて
また狩りをつづけたなんていう話もあります。
ただし、食べ過ぎると「酔う」ので気をつけろと。
でも、経験的に言うと、ベニテンで幻覚を見るまで酔うには
十数本以上は食べないと無理じゃないかなあ。
ベニテングタケを食べようが、
「死の天使」と呼ばれる猛毒のドクツルタケを食べようが、
すべて自己責任です。
でも、自然のことをちゃんと理解し、
自然に対する「畏れ」の気持ちを忘れなければ、
大自然は我々に豊かな恵みを与えてくれます。
そこに、ビジネスや無茶などの「不自然さ」を持ち込むから、
しっぺ返しを食らってしまう。
毒キノコついでに、もう一つ、悪魔のような菌を紹介しておきましょう。
その毒キノコを食べても死までは至らないと言われます。
ただし、手足の指や局部の先端に
焼け火箸を突き刺されたような激痛が一ヵ月以上つづく。
あまりの痛みに、それを苦にして自ら死を選ぶ人もいるという・・・。
その名はドクササコ。
もちろん、私は食べたことなんてありません。
まだまだベニテン・パーティーの顛末などもお話ししたいのですが、
長くなるので、この辺で。
※いわゆるマジックマッシュルームなどは、所持しているだけで法違反となりますのでご注意を。
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