氷山を育てる
ちょっと前のことです。
向田邦子没後40年にスパイラルで
開催されていたイベントに行きました。
その時、徹子の部屋に出演時の
貴重な映像があったのですが、
「どうすれば書けますか」
と相談してくる人へのアドバイスとして
「書くことは氷山の一角。
書く技術よりも、
たくさん思うことや感じること、
考えることが大切」
という宇宙の真理が向田さんの口から、
美しい背筋で、やさしく語られていました。
そして今週のリレーコラム、
尾上くんからバトンを受け継ぎましたが
尾上くんの先週の4本には
そんな巨大な氷山から溶け出した
広告に対する熱い思いが
このままでは地球の海面が上昇してしまう…
と心配になるぐらい放出されていて、
その思考量に圧倒されました。
いつも尾上くんとは主に、
今は何が旬だとか、
なんの食材をどう組み合わせたら
料理の新境地が開けるか、
みたいなことばかり話しているんですが、
その時の知識量や経験値もすごいんですが、
あらためて、恐ろしい子、と思いました。
そんな尾上先生から光栄にも
広告については何を考えているか聞いてみたい、
とバトンを託され、
えーとか言いながら、でもうれしくて
引き受けてしまったのですが、
いざ自分の中を覗くと
巨大な空洞が広がるばかりで
「言いたいこと、何もない…」
と立ちすくんでいたらあっという間に
一週間経ってしまいました。
ごめんなさい。
今日から明日まで、まとめていくつかアップします。