流れでTCC会員になった男④
ぼくは
TCCを知らないまま、
TCCに応募し、
TCC会員になりました。
それからコピーライターとして勝負することを決意し、
決してメジャーとはいえない小さい仕事を
コツコツ、コツコツがんばりました。
そして2011年。
TCC審査委員長賞を受賞することができました。
「いつかもう一度、あの授賞式の場に戻りたい」。
新人賞受賞のときにそんなことを夢見ましたが、
結局は「いつか宝くじで1億円が当たったら」ぐらいの
空想上の理想でしかありませんでした。
ましてや、TCCがいかなるものかは
当時の比にならないほど理解していました。
だからこそ、受賞のご連絡をいただいたときは
にわかには信じられず、
悪質なイタズラである線をしばらく疑いつづけました。
新人賞のときは運だけ。
100%まじりっけなく、運だけで受賞しました。
今回も間違いなく運です。
運なんです。運なんですけど、
これは自分にしかわからないんですけど、
運だけじゃない手応えのようなものを感じました。
夢にまで見た二回目のTCC授賞式。
このときも正直、心から楽しむ余裕はありませんでしたが、
前回は緊張で近寄ることもできなかった久兵衛のお寿司も
しっかり食べることができました。
何人かの方に話しかける度胸もついていました。
なんだか少し、コピーライターになれた気がしました。
審査委員長賞をくださった仲畑さんから、
授賞式でこんなお言葉をいただきました。
「キミたちみたいなタレントとか予算に頼らないコピーライターに、
広告の世界を変えてもらいたいんだよ」。
10年以上が経つ今も、
この言葉は自分を支えてつづけてくれます。
審査委員長賞をいただけたこともきっかけとなり、
電通西日本という会社に転職。
そして現在もなんとか、
コピーライターとして生きていけています。
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