リレーコラムについて

茶道の稽古を少々、ほんとに少々やってます。

御倉直文

サッカーチームのメンバーに、

茶道の師匠がいらっしゃって。

チームの4人でお願いして、

参加させてもらっている。

月一回、茶道の稽古に出かけていく。

 

なにも知識なくはじめたので、

なにもかもが新鮮で、おもしろい。

茶道の用語もはじめてだし、茶器の名前もなかなか覚えられない。

 

お点前は、なんて、言えるレベルじゃない。

初心者の初心者。

 

毎回。

着物姿の師匠の、美しいお点前。

お茶菓子を食べ、師匠の点てた薄茶を飲み、

「はぁ~」なんて満足している。

 

稽古では、ひとりづつ薄茶を点てるのだが、

それはもう、師匠が目の前でひとつひとつの所作を教えてくれないと、

まったく前にすすまない。

 

袱紗のたたみ方を間違える。

茶碗の持ち手がずれている。

茶杓の持ち方わよくわからない。

掬う抹茶の量が多い。少ないときもある。

茶筅の「の」の字が最初だったか最後だったか?

柄杓のひき方がむずかしい。

棗ってなんだっけ?

 

頭の中がぐちゃぐちゃになって、

ぜんぜん、覚えていない。

ぜんぜん、すすまない。

 

そのうち、右手の指が攣ってきて。

ふと気がつくと、脚がしびれて感覚がない。

この状態で、茶碗をもって立つのは、危険すぎる。

 

他人のお点前はみんなで見ているのだが、

これはもう、立派なコント。

ドリフターズレベルにおかしい、このコント。

 

たぶん私がやっているのは、コントみたいな茶道なのかもしれない。

 

でも、心地よいんだよな。

茶室という空間の、

光、香り、空気、音。

佇まいが、私には心地よいのだ。

 

茶室という空間は、それまでの気持ちをガラッと変えてくれる。

悩みごとや迷いごとしていても、茶室に入ると忘れられる。

リラックスして、違う世界に行ける。

 

どんなにコントであっても、脚が痺れても、手が攣っても、

茶道は、やめられないかも。

 

 

薄茶啜り内なるふるさと探しおり しわぶきひとつ聞こえぬ茶室   御倉直文

 

追伸

来週からは、石橋枝里子さんがコラムを担当してくれます。

私の後輩、コピーライター、CMプランナー、おかあさん。

なんといっても、石橋さんはいい奴です。

石橋さんらしいコラムを、お願いします。

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